2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540141
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西田 孝明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70026110)
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Keywords | 応用数学 / 非線形偏微分方程式系 / 力学系 / 熱対流問題 / パターン形成 / 解空間大域構造 / 計算機援用解析 |
Research Abstract |
研究目的・方法:熱対流問題のパターン形成、解の大域的分岐現象および2自由度の力学系と対応する周期外力のある非線形双曲型方程式を対象に解析、計算機援用解析を進めた。 研究成果:非圧縮流体運動を支配するNavier-Stokes方程式の解法のひとつに、小さい圧縮性を導入した非定常方程式を用いて、その時間無限大の極限として定常Navier-Stokes方程式の解を求める方法が、Chorinによってその差分法とともに提唱されてる。この非定常方程式の解が、時間無限大で定常解に収束すれば、Navier-Stokes方程式の定常解に(非自明な解に対しても)収束していることがわかる。その少しファンシーな差分法を通常の中心差分法で置き換えると簡明になる。これを用いてRayleigh-Benard問題で、上面stress-freeで下面fixedの境界条件をもつ場合の解のパターンとして大域的に得ていたロール型の解、六角形型の解、混合型の解などの安定性を調べることができた。その方法の理論的正当性の証明は、今後の課題である。 Jauslin-Kreiss-Moserのモデル方程式(周期的強制項のあるBurgers方程式)を含む非線形双曲型方程式の周期解の構成、数値解析、不変集合の近似などに関して研究した。その一般化であるFermi-Pasta-Ulam問題の最も簡単な(2自由度)モデルに対応する非線形双曲型方程式には、非線形性に凸性が無く、Hamilton-Jacobi理論の変分的定式化も粘性解の方法も使えない。解析的、数値解析的取扱を始めた。その困難の解決は、今後の課題である。 圧縮性のある流体に対する熱対流問題におけるパターン形成・分岐現象の解析は、無いに等しい。その最初の定式化に関する本質的アイデアが得られた。それを展開中である。
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Research Products
(3 results)