2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540149
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
立澤 一哉 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80227090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 実樹廣 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40007828)
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Keywords | 実解析 / 多重線形 / ウェーブレット |
Research Abstract |
今年度は、遠方で減少する表象を持つ擬微分作用素の特異値の評価を、表象から得られるある量により与える研究を行った。これは研究代表者が、遠方で増大する表象を持つ擬微分作用素の固有値の評価を、ウィルソン基底を用いて与えた以前の研究手法の応用である。すなわち遠方で減少する表象を持つ擬微分作用素の場合にもウィルソン基底を用いた作用素の解析が可能で、ウィルソン基底を成す各関数の局在の仕方に対応する表象の値により、作用素の特異値を評価することができた。この評価により、表象がどのような条件を満たせば、作用素がどのようなシャッテン-フォンノイマンクラスに属するかについての結果が得られた。さらに作用素がディクスミエクラスに属するための表象の条件が得られた。これらの結果は、コンヌの非可換幾何学における量子化の理論との関連で、興味深いものである。また同様な評価を多重線形擬微分作用素についても、部分的な結果であるが、得ることができた。 また今年度は昨年度に引き続き、多重線形カルデロン-ジグムント作用素のウェーブレットによる特徴付けを研究した。本研究においては、多重線形カルデロン-ジグムント作用素のウェーブレットによる近似対角化がどのようなものになるかを研究した。ここで得られた結果は、上記の擬微分作用素のウィルソン基底による解析において得られた評価と同様のものである。今後は得られた評価を基に、重み付き関数空間上における多重線形カルデロン-ジグムント作用素の解析を行う予定であり、これらの結果は、実解析の様々な問題に応用可能であるという意味で重要なものである。
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Research Products
(1 results)