2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540161
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
一瀬 孝 Kanazawa University, 名誉教授 (20024044)
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Keywords | 量子力学 / プロパゲイター / 経路積分 / グリーン関数 / 調和振動子 / トロッター積公式 |
Research Abstract |
本研究課題の2年目である。量子力学のプロパゲイター,即ちSchrodinger/Diracユニタリ群とその積分核,Green関数,また,虚数時開版である半群とその熱核に関する研究であり,経路積分的視座からも見る。1.一瀬は田村英男(岡山大学)との共同研究で,経路積分を意味付ける1方法である自己共役Trotter積公式を,2つの非負値自己共役作用素の作用素和の場合に作用素ノルム収束,及び,ポテンシャルV(x)を持つSchrodinger作用素-Δ+V(x)の場合にはその熱核への各点収束を,最良の誤差評価と共に証明した。その成果の総合的サーヴェイを行った共著論文がMark Krein生誕100年記念論文集Operator Theory : Advances and Applications, Vol.190(Birkhauser 2009)に掲載された。 2.一瀬は斉藤義実(Alabama大学Birmingham校)との共同研究で,Dirac作用素のゼロモードに係わるDirac-Sobolev空間がふつうのSobolev空間とどのような関係にあるかを解明した論文を書きFunkcialaj Ekvaciojに投稿,近く出版の予定である。 3.一瀬は,本課題の中の1つ「相対論的Schrodinger半群に関する虚数時間経路積分への再訪」について,廣島文生(九州大学),Jozsef Lorinczi(Loughborough Univ., UK)との共同研究で,相対論的Schrodinger作用素を含むより一般のLaplace作用素のBernstein関数で与えられるLevy過程のあるクラスの生成作用素達,更に,スカラー・ベクトルポテンシャル,及び,spinを持つSchrodinger作用素達の半群に対する虚数時間(Levy過程測度による)経路積分表示を与える研究を行った。その論文は投稿中である。 4.一瀬は,2009年8月3日-8日チェコのプラーハで開催された第16回国際数理物理学会議に出席し,経路積分・量子力学のプロパゲイターについて幾人かの専門家と討議,本研究上の情報収集を行った。
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Research Products
(4 results)