2008 Fiscal Year Annual Research Report
制約条件を伴った半線形方程式の適切性の研究とその応用
Project/Area Number |
20540173
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 敏隆 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (20229561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良和 中央大学, 理工学部, 教授 (80092691)
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Keywords | Lipschitz半群 / 適切性 / 半線形方程式 |
Research Abstract |
本年度は、以下の成果が得られた。 1.伊田明弘氏、連携研究者の大春愼之助氏と、integrated analytic semigroupの非線形摂動に付随する発展作用素の収束定理、近似可解性定理の研究を行った。これらの定理は、偏微分方程式の解を数値的に求める際の近似解の収束に関するものである。報告者らによる従来の特徴付け定理を用いることで、かなり一般的な増大条件の下での収束定理、近似可解性定理の証明が得られた。(論文準備中) 2.連携研究者の田中直樹氏と、半線形放物型方程式に応じるLipschitz半群の特徴付け定理の拡張を行った。特徴付け定理は、解作用素となるLipschitz半群が存在するための必要十分条件を与えるものである。本研究の結果、報告者らの従来の結果の条件を緩和することが出来た。これにより、従来の理論では扱えなかった偏微分方程式もLipschitz半群で扱うことが可能となった。応用例として、半導体素子のモデル方程式であるdrift-difusion方程式の適切性の別証明を与えた。この成果は、日本数学会実函数論分科会で口頭発表した。(論文準備中) 3.連携研究者の田中直樹氏と、複素Ginzburg-Landau方程式のL^p適切性の研究を行った。従来の研究は、初期値の滑らかさ、非線形項のべきが3次、pが2以上で弱解、のいずれかを仮定するものであった。本研究では、Lipschitz作用素半群の生成定理を用いて、pが1より大の有限な実数の場合に、L^p空間において複素Ginzburg-Landau方程式の強解の適切性を証明した。これは、非線形項のべきが臨界指数の場合も含むものである。(論文投稿中)
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Research Products
(1 results)