2010 Fiscal Year Annual Research Report
退化した偏微分方程式およびウェーブレット変換とその応用
Project/Area Number |
20540193
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
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Keywords | ウェーブレット / 信号源分離 / 画像分離 / フレーム / 解析信号 / モノジェニック信号 / フーリエ乗算作用素 / リース変換 |
Research Abstract |
1. ブラインド信号源分離(Blind Source Separation,複数のソース信号が混じっている観測信号から元のソース信号を分離する)の問題で,1次元信号の代表である音声信号について,時空間的混合問題(時間遅れのある混合)のもっとも簡単なモデルを考察した.源信号の推定において,遅れ時間の推定が悪いと混合行列の推定は全くうまくいかなくなるので,時間遅れの推定は重要である.観測信号の時間周波数情報の位相情報を使って時間遅れの推定の精度を上げる方法の理論的考察を行い,シミュレーションを行って,その有効性を確認した. 2. 1の考察において,解析信号をウェーブレット変換に組み込むことが有効であることが明らかになった.これを一般化して,ウェーブレット解析とフーリエ乗算作用素との関係,特に表象が斉次関数である場合の関係について,基本的な性質を明らかにした. 3. 2次元信号である画像信号のブラインド信号源分離に1次元信号の場合の手法を応用する際(ただし,現在は空間的混合問題のみ),どのようなウェーブレットが適切であるかの考察を進め,1次元の解析信号の自然な多次元化であるリース変換を使ったモノジェニックウェーブレット変換について,その基本性質などを明らかにした. 4. 2の考察の際に,複数のウェーブレット関数から作られたウェーブレット族を用いるのが有効であることが明らかになったが,それらがフレームと呼ばれるよい関数系になることが望ましい.フレーム,特にパーセバルフレームについて,基本的な性質や構成法について考察を行った.この考察は,複数のウェーブレット関数を同時に使用するマルチウェーブレットの応用に重要な手掛かりとなるものと思われる.
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Research Products
(8 results)