2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540206
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
星賀 彰 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (60261400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 聡一郎 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (70283942)
久保 英夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50283346)
黒川 友紀 米子工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (50375375)
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Keywords | 波動方程式 / 零条件 / ライフスパン / 伝播速度 / Ghost weightエネルギー / 非共鳴相互作用 |
Research Abstract |
本研究は2次元空間における非線形波動方程式系の初期値問題の古典解の挙動を解析することを目的としている。これまでの研究で非線形項がNull-formをもつならば、時間大域解が存在することがわかっている。そこで今年度は、非線形項がNull-formを持たない場合に、時間大域解が存在するケースと存在しないケースを、非線形項の形によって分類することに専念した。伝播速度が異なる波同士の非共鳴作用によって時間大域解が存在することが片山聡一郎氏と久保英夫氏の共同研究等により示されたが、これとは別に半線形波動方程式の中で、エネルギー的に減衰効果を示すような非線形項を持つものはやはり時間大域解を持つことが、研究代表者の研究により示された。さらにこの解は、時間的無限遠方において線形の解に漸近しないことも久保英夫氏の研究によって明らかになった。 時間大域解が存在するための十分条件を「零条件」と呼ぶことにすれば、Null-form、非共鳴作用、エネルギー減衰効果などは1つ1つ関連性のない零条件に見えるが、これらの零条件を1つの代数的な条件式として表すことが、本研究課題の最終的な目的である。 また、久保英夫氏との共同研究の中で、伝播速度が全て等しい波動方程式系に対して、その古典解の最大存在時刻を正確に記述するための方針が示された。これも、零条件を代数的に表現するためには重要であり、次年度以降解決すべき課題である。
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Research Products
(4 results)