2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540206
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
星賀 彰 静岡大学, 工学部, 准教授 (60261400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 聡一郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (70283942)
久保 英夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50283346)
黒川 友紀 米子工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (50375375)
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Keywords | 波動方程式 / Null-condition / ライフスパン / 非共鳴作用 |
Research Abstract |
今年度の研究内容は、伝播速度が等しい準線形波動方程式系の初期値問題が、時間大域的な古典解を持つような非線形項の条件(零条件)を整理すること、およびその零条件を満たさない非線形項に対する古典解の最大存在時刻(ライフスパン)を求めることであった。非線形項の零条件は、昨年度までの本研究課題における研究活動や、他の研究者の研究活動の中で明らかになっており、今年度の前半はまずそれらを体系的にまとめることに集中した。(11.研究発表参照)その上で、今年度の後半、研究代表者は非線形項が零条件を満たさない場合に、古典解のライフスパンの具体的で精密な評価を得ることに従事した。しかしながら、ライフスパンの推定時刻を具体的に表示するところまでは進んだが、この推定時刻が正しいことを証明するには克服すべき問題点が多く、一定の成果を得るまでには至らなかった。その一番の要因は、非線形連立微分方程式の解に対するアプリオリ評価のサイクルが閉じないことであるが、これについては分担者の久保氏が別の問題においてではあるが解決の糸口となりうる研究結果を得ている。久保氏は今年度中の研究の中で、弾性体の非線形波動方程式に対する古典解のライフスパンの具体的な評価を得ることに成功しており(論文としては現時点では未発表、第8回浜松偏微分方程式研究集会等にて講演)、この中で用いられた手法は、研究代表者が現在直面している課題の克服に有効であると考えられる。これについては次年度の研究の中で明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)