2010 Fiscal Year Annual Research Report
部分環の組に対する相対エントロピーと自己同型写像から生じる不変量
Project/Area Number |
20540209
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
長田 まりゑ 大阪教育大学, 名誉教授 (80030378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70362746)
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Keywords | エントロピー / 作用素環 / 自己同型写像 / 共役類 / 非可換力学系 / 接合積 / 因子環 / 相対エントロピー |
Research Abstract |
1.当研究に於いて、導入した作用素環Mの部分環の組{A,B}に対する相対エントロピーh(A|B)は、AとBとの間の関係を測る量である。この量h(A|B)の基本的性質を調べ上げると共に、その応用として、下記の事実を得た。 2.平面幾何において、長さがnの二辺AとBとが与えられた時に、AとBとがなす菱形の面積をS(A,B)とすると、S(A,B)の値の集合は、閉区間[0,n^2]でありS(A,B)=n^2となる必要十分条件は、二辺AとBが直交事である。 3.2で記した状況に相当する事実を、作用素環Mの部分環の組{A,B}に対する相対エントロピーh(A|B)に対して証明した。この時、h(AlB)がS(A,B)の役割を果たす。「辺の長さが等しい」に相当するのは、「互いに同型な部分環の組」と置き換える事が出来る。 4.要素が複素数のn次正方行列全体M_nは、最も基本的な作用素環である。前年度までにM_nの極大可換部分環の組{A,B}に対して、2に相当する事実が3で記した考察の下で、成立することを示した。 5.本年度は、4での事実が、M_nの互いに同型な部分因子環の組{A,B}に対しても、成立する事を示すと共に、II_1型因子Mの指数2の部分因子環の組に対しても、成立することを、自己同型写像に対する不変量を用いて、証明した。
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Research Products
(4 results)