2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540298
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
日比野 欣也 Kanagawa University, 工学部, 教授 (80260991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立山 暢人 神奈川大学, 工学部, 教授 (30102239)
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Keywords | 宇宙線 / 放射線 / 気象学 / 雷放電 / 粒子加速 |
Research Abstract |
宇宙における超高エネルギー現象を理解するためには、その観測手段となるX線、ガンマ線や宇宙線などの放射線の発生および粒子加速のメカニズムを解明することが必要かつ重要である。そのメカニズムを解明するには宇宙を観測するだけでなく、地上の身近な現象を注意深く観測することによっても新たな知見が得られることもある。 本研究は、どこにでも起こりえる雷雲中の大気電場によって、どのように粒子加速が行われているかを研究する。身近な粒子加速の現場を捉え、銀河のどこかで起こっている宇宙線の加速機構の解明に結びつけることを研究目的とする。具体的には、我々が中国との共同で行っている宇宙線空気シャワー観測装置(チベット空気シャワーアレイ)で得られる荷電粒子情報と雷放電との相関を調べ、雷雲電場に起因した粒子加速現象が起こっているかどうかを検証していく。 今年度は国内において、雷センサーやフィールドミル大気電場計ほか、各種モニターを調達、試験運転を行い、長期自動運転に向けて、安定性の調査を行った。また、既存のチベット空気シャワーアレイの観測データと同期を取るためにPC上のLinuxで動作するオンラインデーター収集ソフトの開発を行った。次年度はこれらを現地である中国チベット自治区羊八井の宇宙線観測所に設置し、実際に宇宙線空気シャワー粒子と雷放電現象との関係を調べるために長期観測に入る予定である。また、ミューオン粒子との関係を調べる上で必要となる水チェレンコフ観測装置のプロトタイプも順調に稼働しており、次年度は検出有効面積を向上させるための拡張計画も予定しており、次年度末にはミューオン観測との連動も予定している。
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