2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンパススペクトロメータによるドレル・ヤン反応測定のための偏極標的の改造
Project/Area Number |
20540299
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
堀川 直顕 中部大学, 総合学術研究院, 客員教授 (70022697)
|
Keywords | 核子スピン / Drell-Yan / スピン偏極標的 / クォークスピン / COMPASS実験 |
Research Abstract |
1. CERNでの実験実施 2010年度、COMPASSグループは偏極ミューオンと偏極標的衝突による「核子のスピン構造」を明らかにする測定を「5月1日から11月5日」にわたり実行した。衝突実験を実行している間は、24時間態勢で、常時、検出器系(スペクトロメタ)に2人、偏極標的系に1人が当番となり8時間交替で装置の監視を続けた。堀川は、8月28日から9月7日にわたり、偏極標的系の監視を分担した。実験全体を通して、偏極標的(アンモニア)の陽子偏極度は、平均でほぼ80%を示していたが、堀川が当番をしていた時は、(83-84)%の高い偏極度を保った。衝突実験は順調に進み、収集したデータは現在解析中である。 更に、CERNに滞在中、次期研究計画「Drell-Yan実験による核子構造の研究」について、CERN滞在中の堂下典弘、堀川薫両氏と話し合い、その実験で使う偏極標的の標的物質、粒状標的を詰める容器の厚さ、円筒容器の直径等すでに準備しているものが実際に使えるか否か検討した。「Drell-Yan実験」を含む次期COMPASS研究計画(COMPASS II)は、2010年9月29日CERN当局により承認された。 2. ドイツ・ボン市訪問 CERNでの実験分担終了後、9月8日にドイツ・ボン市を訪ね、同市居住のボッフム大学教授ウエルナー・マイヤー氏と今後のCOMPASS実験に関わる協議を行った。9月8日に日本学術振興会ボン出張所主催の「フンボルト招待日本人研究者と学術振興会招待のドイツ人研究者の親睦会」が催され、これに招待されてマイヤー教授夫妻と一緒に出席した。その席で、ドイツ側フンボルト財団首脳部、DFG、DAAD等の首脳部の方々と、両国の大学事情、研究を取り巻く環境等について意見交換する機会を得た。 9月11日フランクフルトを発ち、9月12日、中部国際空港に帰国した。
|