2010 Fiscal Year Annual Research Report
原子核プローブ法による遷移金属の脳・神経における局在性に関する生物無機化学の研究
Project/Area Number |
20550059
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
天野 良平 金沢大学, 保健学系, 教授 (30111769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲山 幸信 金沢大学, 保健学系, 助教 (80313675)
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
横山 明彦 金沢大学, 物質化学系, 教授 (80230655)
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Keywords | 脳内微量元素 / 脳局在性 / スペシエーション / タリウム / 放射性元素 / 生物無機化学 / MRIイメージ / 核プローブ |
Research Abstract |
本研究課題では,第一遷移金属のV, Cr, Mn, Fe, Co, ZnやSeの微量金属の動態を同時に同一個体で取得することを利用し,さらに核プローブ法である放射化分析法やICP-質量分析法を加えて脳内微量金属の局在性について研究を推進しようとしてきた。 その過程で、重元素T1(タリウム)の微量が「嗅覚経路により脳内に移行すること」を見出した。この知見を大切にし、鼻腔を経由する金属元素の脳内移行についてのさらに広い知見を得てきた。最終年度の本年度において以下のように整理する。 (1) 脳内追跡の方法論としては、RIトレーサとMRIが優れている。ただ基本的な元素分布のデータの集積には放射化分析法が使いやすさの点で優れている。 (2) RIトレーサとして、マルチトレーサ及び臨床研究用T1201T1C1を主として利用し、鼻腔から嗅球への移行について検討した。 (3) MRI法として、MnとGdの造影効果を利用し、MnではT2強調で脳内部へのMnの移行をラット実験により確認し、Mnの最低検出濃度について議論した。Gdについては、未だ脳内研究までには至っていないがGdDTPAを用いて腎臓内でのGd動態および他の金属との相関について検討した。 (4) 臨床への応用に進めるべき知見を整理し、実際にヒト応用(別課題)に基礎的データを提供し、本研究課題の発展性について考察した。 (5) T1201T1C1鼻腔投与法は臨床応用できることが分かってきたので、さらにこれを発展させるための基礎的検討を開始した。
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[Journal Article] Biological safety of nasalthallium-201 administration : a preclfinical study for olfacto-scintigraphy.2011
Author(s)
Washiyama, K., Shiga, H., Hirota, K., Tsuchida, A., Yamamoto, J., Yagi, S., Yoshizaki, T., Furukawa, M., AmanoR., Miwa
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Journal Title
Journal of Radiation Research
Volume: in press
Peer Reviewed
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