2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550088
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡辺 巖 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (50028239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 一男 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30131311)
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Keywords | 分析科学 / 計測工学 / 軟X線分光 / 軽元素 / XAFS / 放射光科学 / Liイオン電池 / ボロン化合物 |
Research Abstract |
本研究の目的は軽元素を含む試料の超ソフトX線分光分析法の開拓である。現在、エネルギーの有効利用のためのリチウムイオン蓄電池の性能向上が緊急の課題である。リチウムイオン蓄電池の性能向上を図るには、その材料について、多くの基礎的な物質構造解析、物質機能解析が必要である。しかし軽元素であるリチウムの電子状態、構造の解析は困難である。本研究では、まさにこの目的に適したエネルギー領域の分光分析法の開発を行った。本研究申請者が所属する立命館大学SRセンターは、世界で最も小型のシンクロトロン放射光施設を運転している。このSRは低エネルギーで運転されているが、このことは却って軽元素の分光分析には適しており、他の大型施設に勝る性能を発揮することができた。本年度実施した研究の成果は以下のようなものである。 1. 軟X線分光測定は試料の表面に敏感であるため、試料表面の状態を一定に保たなければならない。そのため、超高真空対応試料チャンバーを設計開発した。 2. 大気下では試料が変質するような試料をも外部から導入可能とするため、真空下あるいは不活性ガス中で試料を導入できる機構を新たに設計開発した。 上記の開発の結果、多くの空気や湿気に敏感な電池材料の測定が可能となり、Liイオン電池電極材料中のLiについてex situではあるが、LiK端XAFS測定を行った。さらに同材料中の遷移金属元素についてもL端XAFS測定を行い、電池の充放電に伴う、材料の電子状態変化について多くの情報を得た。
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Research Products
(50 results)