2010 Fiscal Year Annual Research Report
二重免疫法によるテーラーメイド人工酵素(抗体酵素)の新機能創出
Project/Area Number |
20550155
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (70189984)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
本研究では,2種類のリン酸型遷移状態アナログを組み合わせた二重免疫法により,抗原結合部位における分子認識の最適化を検討した.昨年度までに,2種類のリン酸型遷移状態アナログを組み合わせた二重免疫法により,単独の免疫により得られる抗体酵素よりも活性の向上した抗体酵素を獲得することに成功し,その詳細な速度論的パラメータを明らかにした.本年度は,本抗体酵素の触媒機構についてさらに詳細を検討するとともに,新たにリン酸型ハプテンとエポキシドとの組み合わせにより二重免疫を行った. (1) 抗体酵素の構造解析:2種類のリン酸ハプテンの免疫により得られた抗体酵素について,昨年度得られたアミノ酸配列の結果をもとに,分子モデリングを行い,その触媒機構について考察した. (2) リン酸型ハプテンとエポキシドとの二重免疫:リン酸型ハプテンとエポキシドを順次マウスに免疫し,通常の手法により細胞融合を行い,マウスハイブリドーマを作製した.それぞれのハイブリドーマを大量培養し,プロテインGカラムを用いて精製した. (3) 触媒活性のスクリーニング:精製したモノクローナル抗体にいついて,エステル基質を用いて,加水分解反応速度を高速液体クロマトグラフィーにより測定し,触媒活性のある抗体を特定した.触媒活性の観測された抗体が得られたので,反応速度と基質濃度との関係を調べ,Michaelis-Menten式より反応速度パラメータを決定した.その結果,通常のエステラーゼ抗体酵素より顕著に活性の高い抗体は得られなかった.
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