2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560013
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 和明 Hokkaido Institute of Technology, 創生工学部, 教授 (40001987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 信行 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (10204984)
澤田 孝幸 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (40113568)
鈴木 和彦 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (30226500)
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Keywords | II-VI族半導体 / 超格子 / Type-IIバンド構造 / MBE成長 |
Research Abstract |
本研究では、二重サブバンド構造を持たせるために、特殊に設計された二種類のZnSe-ZnTe単周期超格子を組み合わせて超周期の超格子を育成する必要がある。このとき、ZnSe部分とZnTe部分に急峻な界面が要求される。すなわち、界面におけるZnSeTe混晶の性質をあらかじめ把握する必要がある。 そこで20年度においてわれわれは、ZnSe育成時に周期的にごく薄いZnTe層を挿入し、その光学的特性をフォトルミセッセンス(PL)で評価した。 挿入したZnTe層が十分薄く、ZnSe層との膜厚比からTe数%程度とした場合、所謂S1とS2と呼ばれる特徴的なPLピークが現れる。Te濃度が4%の場合、S2ピークが主であり、S1は肩として現れるが、温度上昇とともにS1強度は単調に減少する一方、S2は30K付近まで増大する。PLの励起光強度依存性では4%S1が非線形な振る舞いを見せる。S1にはS2からの供給があることがわかった。 挿入したZnTeは1ML(Mono-Layer)に満たないがX線回折に超格子サテライトの痕跡を示す試料では、ZnTe厚の増加とともにPLの急激なレッドシフトがみられ、ZnTe0.7MLで2.2eV付近にピークを見せる。ZnTeによる量子井戸またはドットと考えられる。このピークはZnSe-ZnTe系がtype-IIであることを反映して、励起光強度とともにブルーシフトする。これらの試料は室温においても明確に緑色発光することがわかった。 従来われわれは二重サブバンド超格子のためにZnTe層を2ML以上必要と考えてきたが、1ML未満でも成功に対する量子閉じ込めが可能であることが分かり、超格子設計の自由度が大きく広がったと考えている。
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Research Products
(14 results)