2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560013
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 和明 Hokkaido Institute of Technology, 創生工学部, 教授 (40001987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 信行 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (10204984)
澤田 孝幸 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (40113568)
鈴木 和彦 北海道工業大学, 創生工学部, 教授 (30226500)
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Keywords | II-VI族半導体 / 超格子 / Type-IIバンド構造 / MBE成長 |
Research Abstract |
現在青色領域で目覚ましい発展を見せているGaN系は、赤の領域で安定した発光デバイスを供給してくれているGaAs系と結晶系の相違から集積化が困難であると考えられている。ZnSe-ZnTe系をGaN系上にエピタキシャル成長できれば、デバイスの幅が広がる。事実本研究でGaN上にZnSeをMBE成長させたところ、(111)面を成長面として、X線回折ピークの半値幅が400 arcsec程度の高品質ZnSeを育成できることがわかった。また、ZnSe-ZnTe系で赤の領域を発光させるためには超格子構造を持たせる必要があるが、そのデバイスのプロセス中でZnTeのドライエッチングが必要となる。われわれはZnSeで非常に効果があった水素による表面処理をZnTeに応用したが、ZnSeに対するほどの効果が得られず、処理時間を増加するとZnTe全体が腐食されて基板表面が顔を出すことがわかった。 一方本研究では、GaAs結晶基板上に特殊に設計された二種類のZnSe-ZnTe単周期超格子を組み合わせて超周期構造(二種類の基底状態を持つのでわれわれはこれをDual Sub-band (DSB)超格子と名付けた)を持つ超格子試料を育成し、この超格子部分に光が透るように、基板結晶の一部を取り除く必要があった。この作業はかなりの困難が伴うと予想された。しかし、確かに熟練といくつかのコツを必要としたが、思いのほか再現性よく基板部分のみを腐食して、光透過型で文字通りfree standingのDSB超格子試料を作製することができた。 633nmのHe-Neレーザー光を透過させておいて、488nmのAr^+レーザー光を照射すると、明らかな633光強度の増加が認められた。しかしその増加効率は極めて低く、現在のチャンピオンデータでも5%程度である。次年度はこの効率を少なくとも10%を越える試料育成条件を見出す必要がある。
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Research Products
(8 results)