2008 Fiscal Year Annual Research Report
粉体の摩擦を利用した微細表面形状創生と摩擦面への応用に関する研究
Project/Area Number |
20560125
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
志摩 政幸 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 教授 (70092583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地引 達弘 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (40322094)
菅原 隆志 東京海洋大学, 海洋工学部, 助手 (90456319)
|
Keywords | 表面改質 / 摩擦 / 微細表面形状 / 炭化珪素粉末 / フレッチング特性 |
Research Abstract |
本年度は、Al合金の表面(平面)に硬質粉末の1つである炭化珪素(SiC)の微細粉末を適用し、開発した特殊形状をもつ工具で摩擦することにより、微細表面形状の創成を試みた。その結果、短時間のうちに密度の高い微細凹凸(精密ショットピーニング処理のそれより高密度)が均一に形成されることがわかった。また、その過程でSiCが表層に埋込まれるとともに、Al合金から発生した摩耗粉との混合により、冷間溶着現象が生じて密着性の高い混合層が創生されることが分った。また、X線応力測定の結果、この混合層内には高い残留圧縮応力が生じることが分った。 この改質材を、相手材として、調質した軸受鋼球(HV760)を相手材として、潤滑下でフレッチング試験を実施した。その結果、無処理のAl合金及び精密ショットピーニングにより創生された微細形状表面に比べて、本改質処理材はきわめて良好な摩擦特性を持つことが明らかとなった。従来、フレッチング状態下では、潤滑油が摩擦面に浸入しがたく、良好な潤滑が困難といわれているが、本改質材では、密度の高い微細凹凸が油溜(マイクロプール)となり、またSiCと軸受鋼との摩擦が低いため、このような優れた摩擦特性を示したものと考えられる。また、改質材側の耐摩耗も向上することが明らかとなった。ただし、軸受鋼側は、切削作用を受けやすくなることが判明した。今年度は、以上の平面への改質に加え、丸軸表面、円孔内面への改質方法を検討している。
|
Research Products
(2 results)