2009 Fiscal Year Annual Research Report
粉体の摩擦を利用した微細表面形状創生と摩擦面への応用に関する研究
Project/Area Number |
20560125
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
志摩 政幸 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 教授 (70092583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地引 達弘 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (40322094)
菅原 隆志 東京海洋大学, 海洋工学部, 助手 (90456319)
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Keywords | 摩擦改質 / 被覆層 / 丸軸 / 往復動摩耗試験 / 耐摩耗性 |
Research Abstract |
本年度は、丸軸(アルミ合金およびSCM調質鋼)表面に、Si微細粉末を工具による摩擦により被覆することを試みた。そのために、旋盤とミニフライス盤からなる独創性のある装置を開発した。また、Si粉末を丸軸と工具の接触部に連続的に送り込むために、工具形状を工夫するとともに、球状キャリア粉末をSi粉末に混ぜたものを用いた。予備試験の結果、球状キャリア粉末としては、直径50μm程度の硬質球(HSS粉末、Al203粉末など)が有用であることが分った。これら装置及び考案物を用いて被覆試験を行った結果、両丸軸には比較的密着力の高いSi被覆層が島状に創生されることが、EPMA分析、断面観察、微小硬さ試験などから分った。 これらの摩擦処理材を、SUJ2製丸軸(Hv760)と組み合わせて交叉円筒方式の往復動摩耗試験を実施し、その耐摩耗性を調べた。摩耗試験は、無潤滑下および比較的粘度の低い鉱油潤滑下で行った。その結果、Si被覆層は、無潤滑下では耐摩耗効果はないが、潤滑下では優れた耐摩耗効果を持つことが判明した。また、相手材であるSUJ2に対する攻撃性もないことが分った。これらの事実は、摩擦を利用して比較的容易に耐摩耗性をもつ表面膜を作ることが可能であることを示唆しており、学術的、工業的意義は高く、また発展性が期待される。 今後、摩擦による被覆層創生メカニズムを検討するとともに、セラミック硬質粉末を含む各種粉末を用いて実験を行い、その耐摩耗効果を調べたい。
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Research Products
(2 results)