2010 Fiscal Year Annual Research Report
粉体の摩擦を利用した微細表面形状創生と摩擦面への応用に関する研究
Project/Area Number |
20560125
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
志摩 政幸 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (70092583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地引 達弘 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (40322094)
菅原 隆志 東京海洋大学, 海洋工学部, 助手 (90456319)
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Keywords | 微細表面形状 / 被覆層 / 摩擦改質 / フレッチング / 耐摩耗性 / 摩擦材 |
Research Abstract |
本年度は研究期間の最終年度であり、成果を社会に還元すべく次の研究を実施した。 1.丸軸を改質するための試験装置の整備を行うとともに、同処理材が直ちに実機に適用できるようにすべく、後処理方法についても検討・技術開発を行った。具体的には、ステンレス鋼(SUS304)およびクロムモリブデン鋼(SCM435)の両基材について、CrおよびSi微細粉末をキャリア粒子となるハイス粒子およびアルミナ粒子(ともに平均粒子径50μm)と混合した粉末を適用し、表面改質を行った。その時の表面の特徴を、3次元粗さ測定、硬さ測定および元素分析などにより明らかにした。また、表面改質の耐摩耗効果を、交叉円筒方式の往復動摩擦試験およびフレッチング試験を行って調べた、その結果、表面改質の効果は、潤滑下で発揮されること、また海水中においても相手材との組み合わせを適切に選ぶことにより耐摩耗効果が得られることなどを明らかにした。 2.開発した技術を実用化するためには、改質メカニズムの検討が必要である。そこで、粉末の単純押し付け試験、制御された回数での押し付け-摩擦試験を行うとともに、改質面の詳細な観察と処理前後の粉末の性状を調べた。その結果、粉末による表面改質は供給された粉末が一定期間基材表面と工具の間に閉じ込められて、その間に粉末のさらなる微細化が生じ、その一部が埋入また冷間溶着することにより、微細表面形状の創生と部分的な被膜が創生されることを明らかにした。 これらの成果を、学会で発表、また一部を学術論文として報告した。
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Research Products
(4 results)