2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560133
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 智 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20236277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 真次 東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (30379713)
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Keywords | マイクロバブル / 沸騰 / 拡散現象 / 単一気泡 / 長寿命化 / レーザ / ファイバ / 顕微鏡 |
Research Abstract |
テーマ[1]単一気泡発生方法の確立 ・レーザによる気泡発生実験の実施,単一気泡発生条件の検討焦点 距離の異なるレンズ,および太さの具なるファイバに種々の強度のレーザ光を入射して,気泡発生時のレーザ強度を調べた.この結果より気泡の発生には,レーザ照射位置の局所的な温度上昇が主要因であると考えられる.数値計算を行うと,レーザ光入射場所の温度上昇は,レーザ光径がファイバ直径の1/2以上であるならば,温度上昇はほとんど同じであるという傾向が得られた. ・気泡の成長プロセスの解析 レーザ照射によって生じた気泡の発生後の気泡径は,脱気水中と飽和水中では大きく異なる結果が得られた.このことより気泡の発生・成長には,液体の沸騰だけでなく,溶解気体の拡散現象も大きく影響すると考えられる. テーマ[2]気泡表面の気体拡散現象 ・拡散抑制効果の影響 気泡内気体の拡散による径変化を,付着物の有無で比較した.水中,油中で表面に特別な操作を行わない気泡の消滅までの時間はほぼ同じであるが,気泡表面に油膜を形成した気泡の拡散による径変化は,若干長くなる傾向が見られた.また牛乳分子や煙分子を付着させた気泡の消滅時間は数倍程度と,長くなる傾向は見られるものの,ドラッグデリバリシステムなどに適用するためには,さらに工夫が必要である. テーマ[3]気泡の長寿命化 ・気泡表面への物質付着の影響 テーマ2で得られた実験結果について数値計算も試みたが,実験時の付着物の総量の測定ができないため,定量的な比較には至っていない. テーマ[4]気泡を用いた物質輸送 ・ぬれ性と接触角 アクリル,真鍮,ジュラルミン,鉄と油とのメニスカス面の測定より,接触角と表面張力の値を求めた.材料によって差はあるものの,接触角と表面張力に大きな差はなく,ほぼ同じ値が得られた,また常温付近では,温度傾向はほとんど見られなかった.
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