2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温度勾配における微粒子状物質の熱泳動の高精度計測
Project/Area Number |
20560182
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 正太郎 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (10282576)
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Keywords | 熱泳動 / 微小重力環境 / 高温度勾配 |
Research Abstract |
本研究は、環境汚染物質の一つである微粒子状物質の挙動に影響を与えている熱泳動現象を明らかにすることを目的とした期間3年の研究である。初年度である昨年度は、既存の微小重力実験装置の改良を行い、高温度勾配の条件下で基礎データの収集を進めた。そのなかで、実験室内の湿度の影響が予想外に強いことが判明したので、第2年度である本年度は、当初の計画の内容を実施する前に、まず湿度の影響を詳細に調査した。 熱伝導率の低い方から順にPMMA,アルミナ、亜鉛の3種類の微小粒子を用いて調べたところ、熱泳動速度に対する湿度の影響は、熱伝導率の低いPMMAには小さく、熱伝導率の高いアルミナ・亜鉛には大きく、それぞれ現れたが、その速度の変化の程度は、絶対量としては、いずれの粒子でも同程度であった。すなわち、アルミナ・亜鉛の場合、乾燥空気中での熱泳動速度がPMMAと比べて顕著に小さいため、湿度による速度の変化が相対的に顕著に現れていることがわかった。研究代表者が調べた限り、このような湿度の影響を示した研究例は過去になく、この現象のメカニズムも今のところ不明である。得られた結果はISSM6(国際会議,9月)および第47回燃焼シンポジウム(国内,12月)にて発表した。 なお、当初の第2年度の計画として予定していた減圧実験については、本年度は減圧チャンバの設計・製作を行ったが、実験の実施まではできなかった。この実験については、最終年度である次年度に行う予定である。
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