2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゼロパワーで位置制御可能な反磁性グラファイト板を用いた非接触マイクロ駆動の研究
Project/Area Number |
20560250
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 晴彦 福島工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30201578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 淳 福島工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (70193472)
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス |
Research Abstract |
近年、MEMSなどに代表される超精密加工やAFMなどの超精密計測において、ナノスケールの精度を有する「マイクロXYステージ」が必要とされている。本申請研究では、二次元にHalbach配列した永久磁石上で、複雑な制御を必要としないパッシブな状態で非接触磁気浮上する反磁性グラファイト板(PG板)を用いて、外部からの電力供給をしない(ゼロパワー)で位置決め(位置保持)が可能な、省エネルギー非接触二次元アクチュエータのマイクロ駆動に関する実験研究を行っている。平成22年度は、以下の2点を主に実施した。 1.PG板の非接触磁気支持剛性に関わる、PG板の形状に依存した反磁性磁気反発力の準静的方法による詳細観測 PG板試料の周囲の磁場勾配を増加させる方法と、中央に穴を設ける方法により、PG板の非接触磁気支持剛性向上を検討している。穴の端部に作用する反磁性磁気力により磁気支持力の増大が図れるが、その穴の形状に依存した反磁性磁気反発力の比較検討を、我々独自の準静的な観測方法により明らかにした。この形状検討の結果、初期のモデルに対し約220~270%の磁気支持剛性の増大が実現した。 2.PG板試料のダイナミック変位に伴う過渡応答の観測 リニア・アクチュエータを用いて、PG板上部から永久磁石小片を接近させ、PG板試料の非接触変位の過渡応答特性を観測した。上記1で検討した形状の異なるPG板試料で過渡応答を観測したところ、形状に依存した周期振動を伴って安定点へ変位していくことが詳細に確認され、また形状改良により、外乱に対する抑制が向上していることも確認できた。
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