2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質X線結晶構造解析を加速する結晶装填システムの高度化
Project/Area Number |
20560251
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
平木 雅彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (20282676)
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Keywords | タンパク質 / 知能機械 / 校正 |
Research Abstract |
タンパク質X線結晶構造解析の一連のプロセスの内、結晶が装填されているクライオサンプルホルダーを液体窒素デュワー内の結晶保存用カセットに自動的に格納するためのシステム開発を行っている。平成22年度は引き続きホルダーのカセットへの格納実験、タンパク質結晶を用いたテスト実験を行った。 平成21年度に製作したロボットハンドを搭載したホルダー運搬用ロボットを用いて、平成21年度に引き続き校正を行うソフトウェアの開発を行った。放射光施設フォトンファクトリーのタンパク質構造解析用ビームラインに設置してある結晶交換ロボットにも同様のアルゴリズムを適用し、大学・企業の研究者の協力を得て試験を行った。その結果、4~6月期は3,596回の試行のうちトラブルは13回(0.36%)であった。昨年度の試験結果のエラー率0.09%に比べて増加したが、13回中7回はカセンサの誤検出によってロボットが停止したことが後で判明した。放射光施設の夏期運転停止中に行った連続テストでは、動作を録画することでトラブルの原因の一つをつきとめ、ソフトウェアの修正を行った。その結果、9~12月期は5,482回のうちトラブルは7回(0.13%)、3,239回のうちトラブルは1回(0.03器)とエラー率を大幅に低減することができた。液体窒素デュワー内に霜があると、ホルダーをカセットに格納する際に霜が付着し、その後の回折実験のS/Nを悪化させることが分かっている。そこで液体窒素デュワー開口部からの霜の混入を防ぐために断熱材とヒーターを設置し、一度格納したホルダーを回折実験装置に乗せた時の霜の付着の量を低減することに成功した。さらに安定に結晶が得られるタンパク質リゾチームを用いて、カセットに格納したリゾチームの結晶を用いてX線回折実験を行い、ロボットを用いた場合でも回折実験の統計値に問題がないことを確認した。
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Research Products
(4 results)