2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン微結晶平面型冷陰極の高指向化および低エネルギー分散化に関する研究
Project/Area Number |
20560333
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
嶋脇 秀隆 Hachinohe Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (80241587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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Keywords | シリコン微結晶 / 平面型冷陰極 / 真空ナノエレクトロニクス |
Research Abstract |
本研究では、均一性・指向性に優れた高品質な電子ビームの形成を目的として、パルスレーザアブレーション法を用いて形成したシリコン微結晶層からなる平面型冷陰極を製作し、放射電子の面内均一性、指向性およびエネルギー分布等について検討を行っている。 本年度は、20mm径のピンホール付きFaraday cupを用いて、電子放射部における放射電子の面内分布の計測を行った。平面型冷陰極においては、上部ゲート金属を数nm程度まで薄膜化する必要があるため、電子放射特性は金属薄膜の形態の影響を受けることが予想される。実験では、上部電極材料として、ボールアップにより不連続膜となりやすいAuと連続膜となるPtを用いた素子について比較検討した。その結果、Auを用いた場合、電子は主に電子放射領域の周辺部から放射されるのに対し、Ptを用いた素子では、電子放射領域全体からの電子放射が観測された。このような分布となる要因として、不連続膜の場合、薄膜抵抗に起因する電圧降下の影響により電子放射領域内の電界分布が不均一となるためと考えられる。以上のことから、平面型冷陰極の均一性・指向性の向上には、上部薄膜電極の導電性およびモルフォロジーを考慮する必要があるとの知見を得た。
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