Research Abstract |
これまでの検討結果より,CDMA ALOHA方式は隠れ端末の影響が緩和でき,また,車車間通信との親和性も高いことから,従来より検討されているCSMAに基づく方式と比較してスループット特性が高くなることが明らかにできた.しかしながら,その特性は,特に物理層における干渉の影響を大きく受けることから,この対策が重要であることが分かった.平成21年度は,特にターボ符号と干渉除去を一体化した方式であるターボ等化が有効であることが分かった.しかし,その特性は車車間通信路の特徴である,移動に伴うドップラーシフトの影響を強く受けた時変マルチパス通信路,すなわち遅延スプレッドだけで無く周波数スプレッドも存在する時間周波数分散通信路の影響を強く受けることが分かった. 今年度は,時間周波数分散通信路の影響を緩和できる通信方式について検討を行なった.具体的には,これまで検討してきたマルチキャリア伝送方式をベースに,その個々のキャリアに帯域制限フィルタを乗算することで時間周波数分散通信路の影響を緩和できるパルスシェーピングOFDMに着目し,検討を行った. パルスシェーピングOFDMとして,ガウスパルスを採用できるBFDM/OQAMを取り上げ,その特性評価,また時間周波数分散通信路の影響を緩和できるカルマンフィルタに基づく通信路等化について検討を行った.その結果,BFDM/OQAMは,OFDMと比較して,時間分散通信路でも良好な特性を示し,車車間通信のための通信方式として適していることが分かった.
|