2008 Fiscal Year Annual Research Report
楕円曲線暗号と超楕円曲線暗号のベィユデセント攻撃に対する安全性に関する研究
Project/Area Number |
20560370
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
趙 晋輝 Chuo University, 理工学部, 教授 (60227345)
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Keywords | 情報セキュリティ / 暗号理論 / 楕円暗号 / 超楕円暗号 / 安全性解析 / Weil descent攻撃 / GHS攻撃 / Weil restriction |
Research Abstract |
本研究は、楕円と超楕円暗号系のWeil descentを利用したGHS攻撃に対する安全性を完全に解明することを目的とするものである。具体的には、Weil descent攻撃に弱い楕円曲線と超楕円曲線のすべてのパターンを発見、分類する、そしてこのような曲線の数と形を解明し、その判別法を示す、さらにこれらの曲線の定義方程式を見つけ、攻撃を実装することによって、攻撃されるときの被害度を解明することを目指すものである。20年度は、今まで得られた結果を発展し、定義体が奇標数の有限体の場合について、GHS攻撃の適用条件と攻撃可能な曲線のクラスを完全に分類し、また密度解析を行うことにより、楕円・超楕円暗号の安全性を明らかにした。具体的には、まず以上の楕円曲線或いは超楕円曲線C0の被覆曲線のヤコビ多様体の様態は大変複雑であるが、GHS攻撃にとっては、最も有利な攻撃状況、つまり被覆曲線Cのヤコビ多様体が、C0のWeil restrictionに同種である場合を想定し、解析を行った。さらに、拡大体上に定義されている楕円曲線或いは種数2、3の超楕円曲線C0のGalois閉包を考え、それによって定義される被覆曲線は、射影曲線P^1の(2,2,…,2)被覆となるため、そのような型の被覆の完全分類を行った。そのためには、拡大体上定義される曲線C0の被覆Cの被覆群に対するGalois群の作用に注目し、Galois表現を分類する手法を用いた。具体的には、上記被覆の分岐点のパターンを解析し、リーマン-フルビツ不等式を利用して、上記被覆の存在条件を割り出して、分類した。GHSの攻撃に弱い曲線のクラスの方程式を示し、その同型類の密度を明らかにした。
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Research Products
(5 results)