2010 Fiscal Year Annual Research Report
現地用波力水車の製造と現地海岸のエアレーション実験
Project/Area Number |
20560474
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石田 啓 金沢大学, 環境デサイン学系, 教授 (50093183)
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Keywords | 水工水理学 / 海岸工学 / 河川工学 / エネルギー / 小水力 / 水車 / 圧縮空気 / 水理実験 |
Research Abstract |
クリーンな自然エネルギーの利用を目指す研究は10年以上になるが、H19年度までの研究は、主に河川用揺動羽水車の開発とリンク機構の波力水車の試作を行った。これを踏まえ、H20年度~22年度の本研究は、現地海波により、波力を動力として空気圧縮機を駆動させ、クリーンで無尽蔵な波浪エネルギーの抽出・利用を目指すものである.H20年度には、幅1mで深さ50cmの水槽実験により、周期4秒程度で波高30cm程度の比較的小さな波によって、毎分およそ14リットル(大気圧換算体積)もの空気を製造する水車の試作に成功し、H21年以後、現地の大きな波が来襲した場合でも破壊しないように、波受板の回転角度が120度程度まで回転し得る"チェーン構造水車"を試作と、H22年度にはその特性の詳細な検証を行った。その結果、周期2~4秒で波高15~24cmの波によって毎分15~20リットルの空気製造が可能なこと、また空気タンクを用いて空気製造付加を調節すると、抽出エネルギー効率は波浪エネルギーフラックス量の30%にも達することが確認された。しかしこの水車は進行波の運動エネルギーを抽出するものであるため、桟橋などが激減した現在では設置場所が少なく、また専用の設置施設を構築するには費用が高額になるという問題に直面した。したがって、本水車の波受板を浮体に取り換えることにより、既設の港湾などの防波堤の壁面前面の重複波の上下動による位置エネルギーを抽出する"浮体式水車"の試作を行った結果、良好な空気製造に成功した。本水車の詳細な特性は現在検証中であるが、この浮体式水車の本体構造が従来の波受板構造の水車と同じであるため、高効率で有ることが期待されるが、何よりもH22年度の研究により、防波堤上に設置し得る大波浪対応型の現地用水車を完成することが出来た成果は極めて大きい。
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Research Products
(7 results)