2010 Fiscal Year Annual Research Report
消波被覆工の防災機能の劣化診断と補修の意志決定のための支援システムの開発
Project/Area Number |
20560479
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松見 吉晴 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00135667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 隆夫 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (70233129)
佐藤 毅 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30304405)
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Keywords | 護岸被覆工の安定性 / 消波性能 / 被覆層の被災進行 / ニューラルネットワーク / 補修問題 / 期待保全費用 |
Research Abstract |
平成22年度は,以下の(A)~(D)の研究より,最終的に消波被覆工の防災機能の劣化診断と補修の意志決定の支援システムを構築した. (A)被覆材の損傷モード別の消波性能,越波低減性能の劣化度合に関する研究では,昨年度と本年度に実施した被覆工の被災進行に伴う断面変形量に関する実験結果を基に,被覆工の累積損傷に関してマルコフチェーンを適用した確率モデルを構築し,(D)の被覆材の累積損傷に伴う保全問題に関する数理モデルにおける来襲波浪と消波性能の確率分布を提供した.また,被覆工の法面と天端の同時被災断面に関するモデルを構築した. (B)被覆護岸の断面変形量の統計的特性に関する研究では,累積被災量および個々の来襲波浪による被災量共に度数分布が正規分布で近似でき,またそれらの平均値および標準偏差が緩やかに増加する特性を明らかにした.この結果より,被覆工の累積損傷の確率特性にマルコフチェーンを適用して,堤体断面変形量の超過確率,消波性能の喪失確率について検討を行った. (C)被覆護岸の累積損傷に伴う性能診断モデルについては,被覆工や天端被災,並びに法面と天端の同時被災における反射率予測を対象に,被覆工の損傷量と設計条件を入力データとするニューラルネットワークを構築し,被覆工の累積損傷に伴う反射率が±10%程度の誤差で予測できた. (D)本研究では,累積された損傷量により消波状態を定義する衝撃型累積損傷モデルと,消波性能劣化と被災発生過程を別過程として捉えて護岸性能の劣化事象を表現するPeaks-over-thresholdモデルのもと,年齢型予防保全モデルを提案し,期待総保全費用を最小とする施設保全方策について解析および数値実験による検討の結果,維持管理費用を最小化する最適な予防保全レベルである累積損傷,予防保全間隔,修復レベル,事後保全回数上限を定量的に明示できた.
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