2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560487
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
武山 良三 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (60291978)
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Keywords | 景観 / デザイン |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度に行った国内外における景観写真を刺激とする調査から得られた結果を基に、要素を絞り込んだ印象調査を行った。具体的には、屋外広告物のデザインについて、1)画面の高さ(高い・中間・低い)。2)画面台数(1台・2台・3台)。3)画面の組み合わせ(不正列・整列、単独・連続)。4)色彩(色相=白地・赤地・青地、彩度明度=高彩度高明度・低彩度低明度)。5)表示文字種(和文・欧文)について、CGによる刺激を60点作成した(街中の商業エリアをイメージした背景30点、自然が残る郊外の道路沿道をイメージした背景30点)。印象調査は、チェコ共和国プラハ美術工芸大学、フィンランド共和国ラハティ応用科学大学、および本学部学生を被験者とし、刺激に対する「好き・嫌い」を7尺度で尋ねた。調査からは次の結果が得られた。1)画面の高さ:低い方が好まれる傾向が見られた。2)画面台数と3)画面の組み合わせ:少ない方が好まれる傾向が見られたが、連続した配置では2台より3台の方が好まれた。4)色彩:白地は安定した支持が得られたが自然景観を背景とした場合は、茶色地の方が支持された。青地は好まれなかった。赤地は状況によって好まれる評価があった。5)表示文字種:日本人は欧文を含む画面を好み、外国人は和文を含む画面を好んだ。 本研究は、屋外広告物の印象を左右する要素を特定することを目的に行った。屋外広告物の高さや色彩が好みに影響を与えていることが確かめられたが、各地で制限されている赤色が一概に嫌われているのではないことや、台数が増えた場合でも、その設置方法に工夫があれば印象が良くなることがわかった。また、和文と欧文の表示方法の違いによって、印象が変わることが確かめられたことは新たな発見であった。この調査結果は、今後ガイドライン等を作成する上での基礎資料となると考える。
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Research Products
(1 results)