Research Abstract |
フライアッシュ中の未燃カーボン除去において平成20年度に開発した中型未燃カーボン除去装置を使用して前処理及び浮遊選鉱時間の短縮,装置の処理能力,薬剤添加率の最適条件を検討した.これらを明らかにすることにより,経済面,環境面を考慮し実用化に役立てることを目的とした.さらに,実機未燃カーボン除去装置を設計した,また,未燃カーボンを除去したフライアッシュをスラリー状態のまま使用したフライアッシュスラリーコンクリートの力学性状及び耐久性状を確認した. その結果,次の知見を得た.前処理時間及び浮遊選鉱時間を短縮しても,フライアッシュの強熱減量低減に影響がなく,前処理時間及び浮遊選鉱時間をそれぞれ30分に短縮することが可能となった.処理濃度を高くしても,テール灰の強熱減量への影響が少ないことが明らかとなった.効率とコストの両面を考慮した最適な薬剤添加率は,灯油3%,パイン油0.2%であり,これらの条件は既往の条件よりも灯油40%,パイン油約33%の低減になった.フライアッシュを1t処理すると考えた場合,今回の処理条件を適用すると,薬剤コスト,電気使用量込みで,既往の条件に比べ処理コストを約40%削減できることが明らかになった.中型未燃カーボン除去装置をベースモデルとして実機未燃カーボン除去装置を設計した. 未燃カーボンを除去したフライアッシュを使用したフライアッシュスラリーコンクリートの力学性状は,通常のフライアッシュを使用したコンクリートの力学性状と同様の傾向を示し,圧縮強度と静弾性係数は,概ねRC構造計算規準式で評価できた.フライアッシュスラリーコンクリートは通常のフライアッシュを使用したコンクリートと同様の傾向を示し,乾燥収縮低減に寄与した.
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