2009 Fiscal Year Annual Research Report
中学校空間における居場所の構造化-生徒の空間選択の仕組み-
Project/Area Number |
20560568
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西村 伸也 Niigata University, 自然科学系, 教授 (50180641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 鷹志 東京大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (20024234)
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Keywords | 教科教室型 / 生徒の行動観察 / ホームベース / 教室館の移動 / 学年差 / 個人の生徒 / 集団の回避 / 休み時間 |
Research Abstract |
千葉県千葉市立打瀬中学校・新潟県聖籠市立聖籠中学校を対象として、アンケート調査と行動観察調査を行った。アンケート調査は、全校生徒を対象にして6月と7月の2回に分けて実施し、居場所や休み時間の過ごし方について選択・記述式で回答してもらった。聖籠中学校では、英語と国際理解の2ワークスペースのしつらい替えを行い、生徒と先生にアンケートでその評価をしてもらった。それらのデータ分析では、授業間休みの入れ替わりの分類による生徒の行動の違いに着目し、生徒は自己と集団との関わり方により、時間と空間をずらしながら居場所のすみ分けを行っていることを明らかにした。つまり、授業間休みにおいて、生徒は移動の位置や滞在時間の長さを選択して移動の流れを作り出し、時間軸の中ですみ分けを行なっている。その中で生徒の移動時間の位置は、前後の集団の関係によって変化していた。移動の流れは毎時間一定なものではなく、生徒は他者との関係を意識して特定の集団を避け、その大きな流れを変化させていることが明らかとなった。また、一人で移動する生徒や他のクラスの生徒と移動する生徒は、他学年の集団を回避することよりも、特定の集団の回避や特定の個人との接近を優先して、休み時間を過ごしている。教科教室型中学校では、学年間において集団が集団を避けるという構造と、クラス内において個人が集団を避けるという構造が入れ子になって存在している。類似した構造が重なり合って、学校内の生徒の移動における秩序が保たれていることが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)