2012 Fiscal Year Annual Research Report
中学校空間における居場所の構造化-生徒の空間選択の仕組み-
Project/Area Number |
20560568
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西村 伸也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50180641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 鷹志 東京大学, 大学院工学研究科, 名誉教授 (20024234)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 教科教室型 / 生徒の行動観察 / ホームベース / 教室間の移動 / 学年差 / 個人の生徒 / 集団の回避 / 休み時間 |
Research Abstract |
本研究は、学校環境の中で多様な集団形成と居場所形成を行なう生徒の行動を調査し、中学校の持つ学校空間と生徒個人や集団の行動特性との関係を捉えることを目的としている。 教科教室型中学校における生徒の行動特性と比較するため、本年度は特別教室型中学校である上田市立第一中学校を対象として、生徒の居場所を把握するためのアンケート調査と、8:25から16:20までの学校生活の中での生徒の行動観察調査を行った。時間差・空間差を用いた生徒の環境行動を捉えるため、教室移動時と教室移動のない授業間休みについて、それぞれ写真・動画の撮影による記録と図面への活動内容と位置のプロットを行い、生徒の居場所と行動とを同時に記録する方法をとった。 教室移動のない授業間休みの場合、生徒は他者との距離のとり方を教室と教室周辺の空間で居場所を変えることによって変化させていた。つまり、同じクラス同士で集団を作る生徒や単独で過ごす生徒が教室内で居場所を形成するのに対し、他の集団から距離をとる生徒の集団はベランダ、他クラスの友人と過ごす生徒は学年棟ワークスペースといったように教室とその周辺において各空間の特徴を利用することで、自己と集団との関係に応じた住みわけを行なっていた。 一方、教室移動があり特別教室を利用する場合、生徒は空間差を用いた住みわけと、移動の時間差を利用した住み分けを行っていた。具体的には教室と教室周辺、特別教室とその周辺のワークスペース等を利用して他者との距離を調節している事に加え、自教室周辺や特別教室周辺に滞在する時間を変化させることや移動経路上にある図書センターに滞在することで他者との距離を調節していた。教科教室型中学校のようにホームベースを持たない特別教室型の中学校では、教室周辺や移動先の特別教室周辺、移動経路上の空間を利用することで居場所の住み分けを行なっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)