2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリメチルシルセスキオキサンからの新規不融化法を介したセラミックス繊維の合成
Project/Area Number |
20560627
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
成澤 雅紀 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (00244658)
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Keywords | 前駆体法 / セラミックス繊維 / シリコンオキシカーバイド / シリコーン樹脂 / 金属塩化物不融法 / 耐酸化皮膜 / 耐クリープ性 / 光触媒機能 |
Research Abstract |
低炭素シリコーン樹脂め一種であるホリメチルシルセスキオキサシ万溶融紡系、SiCl_4不融化、不活性雰囲気焼成によってSiOC繊維を合成し、高温耐酸化性について定量的に評価した。1511K、3時間、空気流通下での酸化試験の後に、元素分析を行ったところ、酸化前の炭素量の62%が残存しており、表面に生成するシリカ皮膜が内部を保護していることが示された。さらに24hに酸化時間を延ばしたところ、5μ程度の直径を有するコア部分が、厚み4μほどのクリストバライトの皮膜に取り巻かれている様子を観察することが出来た。また1603K酸化を行った場合には、3hの時点で一部の断面に2μ程度の皮膜生成が観察された。シリカ皮膜の直接観察がSEMでは往々にして困難であるのは、シリカとSiOCの電気的特性が似通っているためと推定される。市販SiC繊維より高温耐酸化性は若干劣るものの低コスト汎用繊維としての展開が期待され、現在、強度は0.9GPaに到達した。一方、繊維不融化の架橋剤としてTiCl_4を利用した場合には、不融化後に40mass%前後の高い質量増加が観察される。これはTiCl_4が単にシラノール基と反応するだけではなく、ポリマーネットワークを膨潤する溶媒として働く部分があるためと思われる。酸化雰囲気下での焼成により、SiO_2-TiO_2繊維を得ることが出来、1073Kでアモルファス、1273Kではアナターゼの生成とともに、繊維表面に微粒状の析出物が生成する。ルチルの生成はより高温もしくは不活性雰囲気での焼成を必要とし、その場合繊維表面には祖粒状の析出物が生成する。 また各種シリコーンオイルとポリカルボシランのブレンド前駆体について調査を行い。15mass%まではシリコーンオイルがPCSの可塑剤として働くこと、1673-1773Kの高温焼成時にはシロキサン由来部分がSiC微結晶の核生成サイトとして働き細かい均質なSiC多孔質組織の生成に寄与すること、および高温での質量減少が大きいにもかかわらず、比較的高い引張り強度を維持すること、などを見出した。
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