2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポリメチルシルセスキオキサンからの新規不融化法を介したセラミックス繊維の合成
Project/Area Number |
20560627
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
成澤 雅紀 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (00244658)
|
Keywords | 前駆体法 / セラミックス繊維 / シリコンオキシカーバイド / ポリマーブレンド / 金属塩化物 / 光触媒機能 / シリコーン樹脂 / 脱炭焼成 |
Research Abstract |
低炭素シリコーン樹脂紡糸繊維の不融化過程に関して、SiCl_4気相不融化の有効性を確認し、1000℃以上で焼成された繊維に関して、酸素雰囲気、およびアルゴン雰囲気下での耐熱性評価を行った。酸素流通下、1200-1300℃領域での本Si-O-C繊維の耐熱性は高純度シリカ繊維やアルミナ繊維をはるかに凌駕し、これは繊維表面でのシリカ皮膜の形成が内部のSi-O-C組成の維持に働いているためであることが確かめられた。ただし熱炭素還元雰囲気下(1300℃)では、COやSiOの脱離による繊維の細りが観測される。フリーカーボンの低減が耐熱性の向上に有効との見通しに基づき、水素含有雰囲気で繊維の焼成を試みたところ、600℃領域での炭素量の低減、および1000℃焼成段階における繊維の色調の薄れ、一部の白色化が観測された。白色化した繊維は強度は低かったが、暗所でブラックライト(360nm)を照射すると、蛍光発光が認められた(特許出願)。 またTiCl_4不融化を施したシリコーン樹脂繊維では、不融化時間、温度に依存してTi量の取り込み量が制御でき、空気雰囲気での焼成後にSiO_2-TiO_2(rutile)繊維が得られた。得られた繊維は光触媒活性を示したが、大量のTiCl_4の取り込みは焼成時における繊維の破壊、Tiの揮散をもたらす。 一方、ポリカルボシランに高炭素シリコーンオイルをブレンド、紡糸、不融化を行い、紡糸性、高温でのセラミックス化反応について調べた。溶融紡糸過程における紡糸性の向上、高温領域での多孔質化、ナノファイバー生成などの現象が認められる。
|