2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能超親水性酸化チタン薄膜の作製とその応用に関する研究
Project/Area Number |
20560654
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 正孝 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (40165725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 誠 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30284540)
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Keywords | 酸化チタン / ルチル / アナターゼ / 親水性 / 疎油性 / 可視光応答性 / スパッタリング / SOR光 |
Research Abstract |
光誘起機能による超親水性酸化チタン薄膜作成のため、スパッタ法を用いて、酸化チタン薄膜を種々の金属上に作成し、その特性に与える作成条件、添加元素などの効果を検討して作成条件にフィードバックすることにより、最終目的である超親水性薄膜を作成した。各々のテーマは互いに関連しあい、各結果を他のテーマにフィードバックすることにより研究が完遂される。特に、九州大学での成膜、分析装置と、佐賀SORでの分析、とが有機的に結合することにより高レベルの研究を実施することを狙いとした. 酸化チタン薄膜の作成条件の決定:組成、温度、圧力、ガス流量をパラメータとして現有のマグネトロンスパッタ法により成膜を行う。現在までの研究成果を活用し選りすぐれた特性の薄膜作成の条件を決定する。作製条件と特性の関連を明らかにするため、酸素エネルギーを選択して成膜しチタン-酸素の構成を変化させて目的の特性の皮膜を作製し、構造と特性の理論構築を行った。エネルギーを選択したラジカルを皮膜に照射できたので、精密な議論が可能となり、皮膜構造制御をより正確に行うことができた。 可視光応答性へのアプローチ:酸化チタンへの添加元素の検討を行い、バンドギャップエネルギーを変更することにより可視光線波長域での反応の促進を図った。光反応により生成した電子-ホールの再結合による特性劣化が予想されるがこの対策を検討した。バンドギャップエネルギーの低減は、電子-ホール対の再結合速度に影響を与えるため、光照射がされない暗所での特性が大きく変化することが予想され、光照射下・暗所の両方の条件での光誘起機能特性を劣化させることなく、より優れた超親水性を発現させるための条件を見出した。 光誘起酸化特性の改善へのアプローチ:超親水性の特性は、同時に、疎油性の特性も必要とする。実環境での使用では、表面に有機物の付着が避けられないためで、表面に付着した油脂成分は親水性を著しく阻害する。これを避けるためには、表面に付着した油脂成分を分解、除去する機能が必要となるが、酸化チタンの光誘起酸化作用が十分に発揮されればこの問題をクリアすることができる。従って、親水性と同時に疎油性を発揮することが本目的には重要となることがわかった。
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Research Products
(2 results)