2009 Fiscal Year Annual Research Report
高機能超親水性酸化チタン薄膜の作製とその応用に関する研究
Project/Area Number |
20560654
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 正孝 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (40165725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 誠 九州大学, 工学研究院, 助教 (30284540)
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Keywords | 酸化チタン / 薄膜 / 超親水 / 光誘起 / 光触媒 |
Research Abstract |
酸化チタン被覆材料の光誘起機能と皮膜構造の関連を明らかにする一つの手法として、二層型酸化チタン薄膜の光触媒活性へ与える成膜条件の影響を調査した。反応性RFマグネトロンスパッタリング法により、ルチル型を下層とし上層に様々な成膜条件下で成膜を行うことで、二層膜を作製した。また下層と上層の膜厚もそれぞれ変化させた。上層がルチル型の二層型薄膜は低圧で得られるルチル型よりも高い光触媒活性を示した。ルチル型が成長しにくい成膜圧力と基板温度があることも確認され、下地のルチル型の薄膜の配向性は膜厚に依存し、上層でのアナターゼ型の成長は下層の配向性に依存することがわかった。上層の膜厚が大きいほど下層の影響が薄れ、アナターゼ型の割合がルチル型の割合よりも大きくなった。 また、酸化チタン薄膜の電子構造に関する知見を得るための準備として、Ti金属上に成膜した酸化チタン薄膜電極の光電気化学測定を試みた。暗中でのサイクリック・ボルタモグラムにおいて、アノード分極時に電流はほとんど流れず、カソード分極時に電流が観察され、典型的なn型半導体の挙動を示した。また、波長がおよそ400nm以下の光照射によりアノード電流が観察され、アノード電位にて照射光波長350nm付近で測定された光電流密度はより高活性な光触媒性を示した試料ほど大きくなった。薄膜の光触媒性能と光電流密度に相関がみられたことから、光電気化学測定が薄膜の評価法として有用であることが確認できた。
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Research Products
(2 results)