2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素固定化のためのスコロダイト生成の機構解明と制御
Project/Area Number |
20560694
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 秀行 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 助教 (90213074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 登実男 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20264129)
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Keywords | ヒ素 / スコロダイト / 固定化 / 非晶質 / 結晶化 |
Research Abstract |
本研究では、非鉄製錬で分離回収されたヒ素をスコロダイト形態で固定化するため、スコロダイトの生成機構を科学的に解明し、処理プロセスを構築する。 平成21年度は非晶質ヒ酸鉄の結晶化機構を解明することを目的とし、非晶質ヒ酸鉄を35℃恒温槽で24h保持し作製した。種結晶は、160℃オートクレーブで12,24h保持し作製した。 初期の非晶質ヒ酸鉄は、1~2μmほどの粒が凝集していた。オートクレーブで作成した種結晶は、12、24hの両方とも1μm以下の粒で構成されていた。 結晶化実験は、初期試料を0.5gとし、種結晶を含ませる場合は20%配合した。試料を水蒸気飽和条件下、95℃で6、24h保持した後、減圧乾燥器内で室温乾燥させ、SEM、XRD、TG-DTAを用いて分析した。 結晶化実験6h保持後の生成物の表面は、種結晶無し、配合とも10μm程の滑らかな球体に近い粒が部分的に見られた。24h保持後の種結晶無しの試料はほぼ全て40μm程の塊になっていたが、種結晶を含んだ試料は塊の大きさは20μm程であったが、表面は滑らかなものとなっていた。今回の実験では、種結晶を配合したものの粒の大きさは、種結晶無しより小さかった。これは種結晶の割合が大きかったために核が多くなり、1つ1つの粒が小さくなった可能性がある。XRDでは種結晶を配合したものは、6h保持でスコロダイトと一致するピークが見られ結晶化していたが、種結晶無しの試料は6h保持ではピークは見られず、24h保持でピークが見られた。 種結晶が非晶質ヒ酸鉄の結晶化において、結晶性および粒の大きさへ及ぼす影響を調査し、以下の知見を得た。 1. 種結晶を20%配合した条件では、種結晶無しの条件と比較して粒の大きさは小さかった。 2. 水蒸気飽和条件下で種結晶を配合した場合、種結晶無しの条件より短時間で結晶化する。
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Research Products
(1 results)