2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報交換・機能性制御能を有する刺激応答ミクロスフェアの創製
Project/Area Number |
20560706
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 昌弘 Kagoshima University, 工学部, 准教授 (50315397)
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Keywords | 刺激応答 / 電場刺激 / ミクロスフェア / 分子認識 / キラル分離 / 液晶セグメント / 液晶モノマー |
Research Abstract |
高度な分子認識能を示すことで知られる酵素や抗体等のタンパク質は、アミノ酸配列と環境により決定される特定のコンホメーションをとることで、特定の分子に対して立体的な多点相互作用をすることが可能となり、高い分子認識能を発現している。このような高い分子認識能を示すための特定のコンホメーションに折りたたむことができる高分子を人工的に作り出すには、考えうる無数ともいえるモノマーの配列から特定のものを選び出すという過程が必要なため現実的には非常に困難である。そこで、分子認識能を示すような三次元構造をもった高分子を得る方法として分子インプリント法を提案した。分子認識能を示す高分子を得るには、認識ターゲットと相互作用可能な分子認識素子が重要な役割を果たす。そこで、生体分子(光学活性物質)を高選択的に認識し、かつ電場に応答するのに最適な強誘電性を有する分子認識素子の設計および合成を行った。合成するモノマーに要求される分子構造上の必要条件とは、電場に極めて鋭敏に応答し、相転移するようなメソゲン基(芳香環をエステル結合でつないだもの)を取り入れることである。さらに、光学活性物質のキラリティーとジアステレオメリックに相互作用し、特異的な認識を可能にする「キラルチャンネル」の形成を狙うためにモノマー末端にキラリティーを導入した。強誘電性液晶モノマーそのものの電場応答の基礎物性(分子配向性等)や他のモノマーと共重合させた場合の高分子マトリクスにおける液晶分子の自己組織化が電場によりどのような挙動をするかを調査した。
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