2010 Fiscal Year Annual Research Report
コロイド包括ゲル化処理を中核技術とする新規廃液処理プロセスの構築
Project/Area Number |
20560708
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
岩田 政司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10151747)
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Keywords | アルギン酸 / ゲル / コロイド / 圧搾 / 固液分離 / ブルーデキストラン / オルガノゲル / パルプ短繊維 |
Research Abstract |
本研究は,「コロイド包括ゲル化処理プロセスを用いた新規なコロイド粒子除去プロセスあるいは溶存有害物質除去プロセス」を開発することを目的としている。 1. 「溶存有機物の包括ゲル化処理」を検討した。ブルーデキストランを溶存有機物のモデル物質として用い,この水溶液を(1)ベントナイト懸濁液,(2)アルギン酸プロピレングリコールエステル水溶液,(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液と混合した後アルギン酸ナトリウム水溶液と混合し,この混合液を塩化カルシウム水溶液に滴下し溶存有機物包括ゲルを調製し,重力脱水,圧搾脱水した。ゲル内にベントナイト等を介在させることにより,ブルーデキストランのゲル内への捕捉量が向上した。 2. 「コロイド包括処理法の非水系への拡張」を検討した。モデルコロイドとしてPMMA粒子(粒子径0.15μm)を懸濁させた菜種油を用いた.この系を80℃まで加熱した後,12-ヒドロキシステアリン酸を油分に対し3/100の割合で加え,放冷し懸濁液をゲル化させた.この油ゲルを98kPaで定圧圧搾し,搾液中に漏れたPMMA粒子を分光光度計で定量した.圧搾に際し,モデルコロイドに含まれるPMMA粒子の95%以上がゲルの網目に阻止されゲル内に留まった。モデルコロイドに脱液助剤としてのパルプ短繊維を加えゲル化させることにより,油ゲルの圧搾脱液速度を改善することができた。また,パルプ短繊維の量が増えるにつれ,モデル懸濁質であるPMMAの搾液への漏れ量が減少した。
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