2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子デバイスの特性向上を目指したナノ粒子の基板上堆積手法の開発
Project/Area Number |
20560715
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高見 誠一 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
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Keywords | ナノ粒子堆積膜 / 電界効果トランジスタ / チャネル材料 / ボトムゲート基板 / n型半導体 |
Research Abstract |
本研究提案では、トランジスタ特性の向上に必須な電荷移動度の向上を目指し、異方性を有する表面修飾酸化物ナノ粒子を基板上で稠密に配向させる手法を開発することで、酸化物ナノ粒子を用いた電子デバイスの実用化を目指す。 上記目標を達成するために、本年度は以下の研究を行った。 1) ナノ粒子の堆積による電解効果型トランジスタの形成 流通式合成装置を用いてZnOナノ粒子の合成を行った。次に、合成したZnOナノ粒子をボトムゲート構造を有する基板上に滴下、乾燥させた堆積膜を形成した。その構造を二次電子顕微鏡、X線回折で評価するとともに、電気特性を評価した。その結果、合成したZnOナノ粒子は20〜30nmの大きさを有し、極めて良い結晶性を示すことが明らかとなった。さらに、デバイス特性測定装置を用いて電気特性を評価したところ、この堆積膜構造が電解効果型トランジスタのn型のチャネル材料として動作することを確認した。さらに本研究では、n型に加えてp型のチャネル材料として動作する酸化物ナノ粒子の合成にも成功した。 2) スピンコートなどの手法による堆積 本研究では、さらにデバイス全域におけるナノ粒子の稠密かつ均一な堆積を実現するため、スピンコート法などの手法を用いたナノ粒子の形成を試みた。スピンコーターを用い、基板上にナノ粒子分散液を均一塗布、乾燥することで、堆積膜の形成を試みた。分散液、ナノ粒子の濃度、サイズ、滴下条件など、様々な堆積条件を変えつつ堆積膜の形成を行うことで、これらのパラメータの役割を理解するとともに、ナノ粒子堆積膜が稠密かつ均一に形成される条件を提案した。
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