2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560745
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
山岸 進 Tokyo University of Marine Science and Technology, 社会連携推進共同研究センター, 客員教授 (20422579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 利幸 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (50200308)
荒川 久幸 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (40242325)
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Keywords | 海洋探査 / ライダー / Mueller Matrix / Monte Carlo Method |
Research Abstract |
ライダー(Lidar)手法を用いた海洋生物群の画像観測システムを提案し、能力を事前評価することを目的としている。今年度は特に水中懸濁粒子偏光特性と多重散乱効果に重点を置いて研究した。 本システムは入射レーザの散乱を画像観測して実験的にMuller Matrix要素を算出するもので、先行研究で製作した装置に狭帯域フイルターを付加して自然光下での観測を可能にすると共にデータ処理の高速化を図った。これを用いて懸濁粒子試料(プランクトン、牛乳、飲料等)とポリスチレン標準試料について各パラメータ(サイズ、形状、光学活性度等)に応じた画像およびMuller Matrixデータを収集した。実測に際しては、偏光計(線状)を導入して偏光精度を測定し、装置パラメータの補正を行って精度向上に努めた。偏光精度がMueller matrixの要素に及ぼす影響評価については次年度の課題である。 一方、偏光を考慮した多重散乱過程のモンテカルロシ法でのシミュレーションと画像計測結果を比較して、計算に用いた光散乱モデル(Rayleigh-Gans)の限界を把握した。シミュレーションにより、実海域の観測資料を基に偏光及び多重散乱効果を考慮したVBF (volume backscattering function)の推定精度が向上し、ライダー方程式の各パラメータ(ビーム広がり角、視野角、水面反射、水中減衰)が、水中生物群検知信号のS/Nに及ぼす影響を自然光環境下で推定することが可能となる。また、偏光散乱画像を用いることにより懸濁微粒子特性をより詳細に把握することが可能となった。今後、精度向上と適用範囲拡張のため、散乱体の偏光特性および海域の光減衰係数に関する資料の充実を図る。
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