2010 Fiscal Year Annual Research Report
立体格子構造を持つシンチレータによる三次元放射線イメージングシステムの研究
Project/Area Number |
20560776
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Research Institution | 富山高等専門学校 |
Principal Investigator |
高田 英治 富山高等専門学校, 専攻科, 教授 (00270885)
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Keywords | 放射線 / シンチレータ / 立体格子 / 三次元分布 / ガンマカメラ |
Research Abstract |
平成22年度までに製作していた測定システムを改良し、3層構造において安定した測定を行えるようにした。具体的には読み出し部の光ファイバを除き、金属製の短距離導波路を用いて格子構造とマルチアノード型光電子増倍管の距離を小さくすることで測定効率の向上を図った。しかし、改良過程において、集光部で各層間のクロストークが起きていることが確認されたが、収集部の表面に黒色のクロストーク防止材を張り付けることによってクロストークを除くことができた。高速中性子源炉「弥生」において特性評価実験を行ったところ、高速中性子の位置の変化や入射角度の変化を十分に測定可能であるとの見通しが得られた。測定結果に対して医用イメージング分野で良く用いられるML-EM法を適用してデータの再構成を行ったところ、入射させた中性子ビーム(直径3mm及び10mm)にほぼ合致したビーム形状を再搆成することができた。一方、液体シンチレータを用いる場合にはγ線を高感度に測定してしまうことが、昨年度同様に課題として挙げられた。波長シフト溶液による実験を試みたが、現在のところ最適な波長シフト溶液の選択には至っていない状況にある。 そこで、γ線を測定対象とし、ガンマカメラへの適用を念頭に置いた実験を行った。コリメートしたγ線を3層構造に垂直に入射させ、各層間のコインシデンスをとってγ線の散乱角を測定することを試みた。その結果、クライン-仁科の式で予想される散乱角分布と同様の傾向が見られた。現在のところノイズとの兼ね合いのために精度が低い状況なので、今後この点を改良し、ガンマカメラへの適用性について詳細に検討する予定である。
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