2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子発現解析を用いたバクテリアの増殖再開メカニズムの解明
Project/Area Number |
20570006
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
牧 泰史 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (60401733)
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Keywords | 細菌 / マイクロアレイ / 増殖 |
Research Abstract |
本研究は、大腸菌をバクテリアのモデル生物として用い、増殖再開時期の様々な細胞内機能構造の変化を遺伝子発現の観点から追うことで、増殖再開に関わる生命システムの構築原理と動作機構を解明することを主たる目的としている。 この達成に向けて、平成20年度前半は、研究実施計画に従い定常期、増殖再開初期、増殖中期、それぞれの細胞からRNAを抽出してmicroarray解析を行い、増殖再開初期に特異的に発現する遺伝子群のスクリーニングをおこなった。その結果、複数の遺伝子が候補として挙げられるデータを得た。しかしこれらの遺伝子が別の時期、すなわち増殖期から定常期までのどこかで発現していた可能性が残された。そこで、平成20年度後半からは研究内容を発展させ、大腸菌の生活環全体を対象としてmicroarray解析を進めた。年度末までに、増殖期、定常期初・中・後期、増殖再開初期、といった生活環の全課程の大腸菌をサンプルとしてRNAを抽出し、microarray解析の結果を得ることに成功している。しかし、対象とする細胞状態が多様になったため、クラスタ解析に適した品質のデータが得られていない。今後はこの問題を解決してクラスタ解析を進めることで、時期特異的に発現する遺伝子群を把握することが課題である。それぞれの機能に関しては、増殖再開初期特異的遺伝子群を抽出した後、各遺伝子破壊株の表現型観察やプロテオーム解析によって解明していく予定である。
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