2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570029
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
箱山 洋 Fisheries Research Agency, 中央水産研究所内水面研究部, 主任研究員 (50344320)
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Keywords | 共存 / 無性生殖 / 個体群 / gynogenesis / Carassius auratus / 有性生殖 |
Research Abstract |
1.野外調査:共存を説明する二つのモデルについて、野外のデータからその予測を検証した。第一に、Hakoyama&Iwasa 2004の病気モデルで仮定している無性型の高い死亡率が観察できるのかを調べた。諏訪湖のフナ類について年齢査定を行い、有性型・無性型の各年級群の死亡率を比較したが、差はなかった。つぎに、中立仮説(有性・無性で適応度の違いがない場合、個体数が多ければ、絶滅に長い時間を要するため共存が観察される)では、有性無性型の比率に大規模な時間変化は観察されないはずである。1997・1998年の諏訪湖の有性無性比を2006-2008年のそれと比較したところ、10年前に多数派であった有性型が、現在では少数派になっており、モデルの予測は支持されなかった。有性無性比は動的に時間変化していることが明らかとなった。2.実験個体群:継続観察し、体長・体重・倍数性を測定した。再生産が行われている。3.室内実験:(1)実験的に二倍体のオスとペアにした三倍体に子供を産ませて、その子供の中の四倍体比を調べた。結果、三倍体のメス6腹から生まれた子供のうち14%(n=430)が四倍体であった。一方、諏訪湖の野外データからは、6%(n=1753)が四倍体であった。その差は野外の四倍体の死亡率の高さを示唆している。つまり、死亡率の高い四倍体が発生することで、無性型の子の出生率を下げ、有性生殖のコストを緩和していることが分かった。(2)2N,3N,4Nの体長比較を行い、メタ・アナリシスを用いて全体の傾向を検定した。結果、全体として3N>2N>4Nの順で体長が有意に大きい事がわかったが、effect sizeはr-=0.13程度で小さく、結論として大きな成長差はないことが分かった。
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Research Products
(2 results)