2009 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスMAPキナーゼによる細胞周期因子の分解誘発機構に関する研究
Project/Area Number |
20570126
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内田 早苗 Kanazawa University, イノベーション創成センター, 博士研究員 (50464045)
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Keywords | ストレス / シグナル伝達 / 細胞周期 / 蛋白分解 |
Research Abstract |
非ゲノム損傷ストレスによる細胞周期因子Cdc25Bの分解は、主にINK経路により制御されており、Cdc25B上の101番目と103番目のSerが重要であることを昨年度明らかにした。本年度は、S101A変異体、または、野生型を恒常的に発現する細胞を作成し、アニソマイシンによる細胞のG2期停止を比較した。その結果、S101A変異体を発現する細胞では野生型のものに比べ、アニソマイシン添加後もG2期に停止せずにM期に進行する細胞の割合が高くなり、Ser101のリン酸化を介したCdc25Bの分解が細胞のG2期停止に重要であることが明らかになった。次に、ストレスによって誘導されるCdc25Bの分解を担うユビキチンリガーゼの解析を行った。昨年度の研究により、Ser101を含むN未断片に、SCF複合体に含まれる種々のFボックスタンパクのうち、βTrCPが結合することがわかった。Cdc25Bは恒常的にβTrCPと結合する配列を持っているため、この配列254-DDG-256を254-DAA-256に変えたDAA変異体を作成しβTrCPとの結合を調べたところ、JNKに依存した結合の増加がみられた。また、この結合の増加は、S101,103A-DAA変異体では見られなかった。さらに、SCF^<βTrCP>を用いて、in vitroでのユビキチン化修飾を行った。SCF^<βTrCP>はDAA変異体をJNK存在下で効率的にユビキチン化し、S101,103A-DAA変異体はユビキチン化しなかった。これらの結果は、SCF^<βTrCP>が、ストレス誘導性のCdc25Bの分解を担っていることを示唆している。しかし、Cdc25Bには恒常的なβTrCP結合配列の他に、βTrCP結合コンセンサス配列は存在しない。今後は、βTrCPのJNK依存的な結合部位について詳細に解析し、その分解制御機構を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(7 results)