2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能進化ゲノミクス:進化解析を用いた共生遺伝子のゲノム網羅的探索とその実験的検証
Project/Area Number |
20570220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 誠志郎 東京大学, 総合文化研究科, 学術研究員 (10334301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 元己 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00193524)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 進化 / 共生 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究において我々は、マメ科-根粒菌共生系の起源を根粒形成(nod)遺伝子群の分子進化により解析し、その起源がβプロテオバクテリアと考えられることを解明し、発表した。従来、農作物を中心としたマメ科植物の多くが、αプロテオバクテリアと共生することから、マメ-根粒菌の起源はαプロテオバクテリアであると考えられてきた。また、共生遺伝子は分子遺伝学的に見つかったものの、「nod遺伝子群が、どのようなDNA変異により共生に必須な機能を得たのか?」については全く解析がなされてこなかった。我々は根粒形成に必須なnod遺伝子群の詳細な分子進化解析を行い、nod遺伝子群の起源はβプロテオバクテリアと考えられること、起源した後nod遺伝子群には、置換速度の加速による適応的な分子進化が起きていることを発見した。この結果はnod遺伝子群の数遺伝子、特にnodIJにより示されたが、系統プロファイル解析によると、ゲノム内にはnod遺伝子群と同じ進化的特徴のある未知共生遺伝子が隠れていることがわかった。nod遺伝子群との類似として、例えば「根粒菌集合における水平移行」を指標にした解析では、共生アイランドの位置が正確に推定でき、さらに、共生アイランドから外れた部位に、転写因子やアデニル酸サイクレースを含めいくつかの機能未知な遺伝子が、共生遺伝子として推定されることが示唆された。果たしてこれらの推定が、本当に新しい共生遺伝子を発見し得たのかを調べるため、推定遺伝子に遺伝子破壊を施し、得られた変異菌を用いて感染実験を行なうことで、共生機能の実験的検証を行った。過去の多くの研究で見つかった共生遺伝子は、その破壊により根粒形成数が低下することがわかっている。本課題では、その逆に遺伝子破壊により着生数が増える遺伝子を発見した。これらの遺伝子について、現在ホスト側の表現型可塑性の解析をさらに行い、共生機能の解明につとめている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)