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2010 Fiscal Year Annual Research Report

有機栽培水田ではどうしてコナギが優占するのか?

Research Project

Project/Area Number 20580017
Research InstitutionNational Agricultural Research Organization

Principal Investigator

長谷川 浩  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・カバークロップ研究チーム, 主任研究員 (60355328)

Keywordsイヌホタルイ / コナギ / シードバンク / 水田雑草 / ノビエ / 有機栽培
Research Abstract

有機栽培水田において最も問題となる水田雑草コナギについて、コナギの種子生産は69~47,400個/m^2の範囲にあり、平均で15,600個/m^2であった。コナギ個体数は、1~104/m^2の範囲にあり、平均で49/m^2であった。朔果数は、1~398/m^2の範囲にあり、平均で132/m^2であった。朔果当たりの種子数は、58~151の範囲にあり、平均で101/m^2であった。朔果風乾重と朔果当たりのコナギ種子数には正の相関関係がみられ(R^2=0.701)、m^2当たりの朔果数を実測すれば^m2当たりの種子数を簡易推計できる。
シードバンクをノビエ、イヌホタルイと比較すると、コナギの中央値は51,000粒/m^2、イヌホタルイの中央値は879粒/m^2、ノビエの中央値は279粒/m^2であった。コナギが3種合計のシードバンクに占める割合は、40%~100%の範囲にあり、中央値は96%と圧倒的にコナギが占めた。
荒代掻き(代掻き1回目)後、13-19日間湛水を継続することで、ノビエに加えてコナギを出芽させることができた。その間の土壌1-2cm深の積算温度は220~317℃日であった。2・3回代掻きによって出芽したノビエとコナギの99.99%を埋め込むことができた。しか低減ができたのはシードバンク全体の2-4%と試算された。
予め採種したコナギ種子を有機水田に埋設して毎月回収したところ、畑条件(土壌水分30%)、水田土壌条件(水分40%)に関わりなく、80%以上の種子が非休眠で、季節性はみられなかった。
コナギは種子が小さい(直径0.8mm以下)ので、圃場条件で土壌に存在する内生種子の生理・生態はわずかしか分かっていない。2mmのふるいで篩った生土を同量の水で15分間かく絆して、懸濁液を作成後、長さ1.5mの水柱を沈降させて、ストークスの式に従って粒径と比重を使って、コナギ種子を、土壌粒子および有機物と分離した。沈降開始後、15秒から60秒間の画分のみ回収することで、80%以上のコナギ種子を回収し、しかも同じ粒径の粗砂と有機物の大半を排除することに成功した。この過程において一切の塩類(例えば炭酸カリウム)は一切使わなかった。今後、この手法を使ってコナギ内生種子の生理・生態を解明できる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 南東北の有機栽培農家水田における複数回代掻きが田植え前の雑草の出芽,残草および雑草シードバンクに及ぼす影響2010

    • Author(s)
      長谷川浩
    • Journal Title

      有機農業研究

      Volume: 2 Pages: 40-49

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2012-07-19  

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