2009 Fiscal Year Annual Research Report
カーネーション変異体を利用したエチレン生合成遺伝子抑制機構の解明
Project/Area Number |
20580041
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
棚瀬 幸司 National Agricultural Research Organization, 花き研究所・新形質花き開発研究チーム, 主任研究員 (30355713)
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Keywords | エチレン / カーネーション / 花持ち |
Research Abstract |
花持ちの長いカーネーション系統(エチレン低生成)および花持ちが約30日と非常に長い超長命系統におけるエチレン誘導性遺伝子の遺伝子発現解析を行い、発現の違いを検討した。またエチレン感受性関連遺伝子のプロモーター領域の同定を行った。 対照品種'ホワイトシム'、花持ちの長い品種(エチレン低生成)'ミラクルルージュ'、超長命系統'532-6'の老化過程の花弁からRNAを抽出し、そのRNAからcDNAを作成し、リアルタイムPCR法を用いてエチレン誘導性遺伝子の発現解析を行った。その結果、超長命形質にはシステインプロテアーゼインヒビター(Dc-CPIn)の発現が深く関与していることが明らかとなった。また、他のエチレン誘導性遺伝子は超長命形質には関連が無いと推定された。現在、市販されているシステインプロテアーゼインヒビターを花に処理し、花持ち延長効果があるかを検討している。 対照品種'ホワイトシム'のゲノムDNAを抽出し、Dc-EIL1/2, Dc-EIL3, Dc-EIL4遺伝子のプロモーター領域を決定した。プロモーター領域はStraightWalk法を用いた。PCRの結果、いずれの遺伝子においても1kbp以上の長さの断片が得られた。これらをクローニングし、配列を決定した。今後はこの配列をもとにして、花持ちの良いカーネーション系統におけるDc-EIL1/2, Dc-EIL3, Dc-EIL4遺伝子のプロモーター領域を決定し、対照品種との配列の違いを見つけ、マーカー開発を検討する。
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