2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体内エネルギー代謝恒常性調節機構解明によるメタボリック症候群へのアプローチ
Project/Area Number |
20580103
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 光博 Keio University, 医学部, 准教授 (10450842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
杉崎 太一 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00468480)
森本 耕吉 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (10468506)
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Keywords | 生活習慣病 / エネルギー代謝 / 胆汁酸 / オミックス解析 |
Research Abstract |
悪性新生物・心疾患・脳血管疾患は日本人の三大死因であり、これら疾患の上流に位置すると考えられる内臓肥満を改善する治療法を開発することは、国民の健康な生活と、医療費の節減や有効利用ができ、社会への還元に重要である。数年前まで胆汁酸は単なる脂質の消化吸収に関する分子として考えられてきたが、申請者は、食事とリンクし大量に体内を循環する胆汁酸の特色に着目し、胆汁酸が生体内シグナル伝達分子として機能し、脂質代謝・エネルギー代謝調節に重要であることを報告してきた。 本研究では生体内シグナル伝達分子としての胆汁酸の役割を、代謝調節メカニズムに焦点をあて、メタボロミクス・プロテオミクス・ゲノミクスの手法を用いて、代謝産物・タンパク質・遺伝子より多面的に探索し、新規代謝経路・新規代謝調節メカニズムを解明し、エネルギー代謝調節研究をさらに発展させた。 その結果、高脂肪食に胆汁酸を負荷した動物組織を用いた、DNAマイクロアレイを用いた解析では、代謝に関与することが報告されている遺伝子のほかにも、炎症、細胞増殖やアポトーシスに関与する遺伝子などが多数検出された。現在、それぞれの遺伝子発現がエネルギー代謝制御にどのような影響を及ぼすか解析を進めている。メタボローム解析では、エネルギー産生に重要な褐色脂肪組織において胆汁酸がアミノ酸代謝に深く関与していることが示唆された。胆汁酸代謝-アミノ酸代謝-エネルギー代謝の関係解明を検討している。
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Research Products
(6 results)