2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫が分泌する延命誘導物質に関する化学生物学的研究
Project/Area Number |
20580112
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河野 強 Tottori University, 農学部, 教授 (50270567)
|
Keywords | 情報分子 / ペプチドホルモン / 寿命制御 / 発現制御 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は,線虫Caenorhabditis eleganasの寿命を制御するインスリン様シグナルの「入力機構」の全容解明に迫ることであり,(1)延命誘導物質の化学構造を明らかにすると共に,(2)本物質による各インスリン様分子(寿命制御因子)の発現制御を解析する予定にしている。 本年度は計画通りにインスリン様ペプチド40種のcDNAクローニングを終え,RNA干渉による機能解析を実施した。その結果,新たにINS-12がアンタゴニストとして寿命延長に寄与する可能性を見出した。そこで,ins-12遣伝子破壊線虫を作出し,その表現型を解析することにより,ins-12が寿命延長に寄与することを明らかにした。さらに,ins-12,ins-18二重破壊線虫を作出し,寿命延長効果が相乗的であることを明らかにした。 現在のところレポーター遺伝子ins-12::rfpを作出中であり,ins-18::gfpを発現する線虫(作出済み)導入する予定である。これにより,両ペプチド遺伝子の発現部位が同一であるか否かを確定でき,かつ,種々の延命条件下に置くことで同一の発現調節を受ける可能性を検証できると考えている。また,アゴニストとして機能すると予想されるINS-4,-6,-10についても,それらの生理機能を確定すべく遺伝子破壊線虫を作出中である。
|