2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580128
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 由佳子 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (60212156)
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Keywords | 味細胞 / マウス / カルシウムリリース / ガストジューシン / 免疫染色 / カルシウムチャネル |
Research Abstract |
味物質には、味細胞の細胞膜上に受容体という特殊なタンパク質によって感知されるものと、チャネルや細胞膜に直接働きかけるものがある。近年、味受容体候補遺伝子や味情報伝達関連分子候補遺伝子の報告が相次いでいる。ゲノムから得た遺伝子の機能に関しては、今日に至るまでの累積された生理学的データと一致することで同定されている。本研究では、これまで蓄積した生理学的研究を発展させて、これまでmissing ringといわれていた味細胞-味細胞-味神経間の情報伝達カスケードの構築を目的としている。 そこで、マウスの味細胞を用いて電位依存性カルシウムチャネルの存在をカルシウムイメージング法、味受容をすることでII型味細胞を選択しガストジューシンの抗体染色を行って、その関連性を見ることを計画し実施した。しかし、膜電位変化を変化させたときの細胞内カルシウムが上昇する細胞が予想以上に少なく、現在のところガストジューシンで染色された細胞にカルシウムチャネルの存在を示す結果は得られていない。そこで、21年度以降の実験を前倒しにして、ATPで応答する細胞を観察することを試みた。しかし、ATPによる応答が非常に小さく、現在、条件を設定している段階である。細胞がうまく調整できていない可能性が考えられたので、イオノフォアによる観察も行い大きなカルシウム応答を得られていること、安定したベースラインが得られているので、実験の系は確立できていると考えている。
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